◆ Viewing展2024 選考委員賞作品
梶原良成賞:照山 夏美「ドラムライト」
[プロフィール]
1992年生まれ。キチッとしたことが好き。
洗濯物のタオルの向き、他の利用者が遊び終えて床に落ちてしまったパズルのカケラ、作業の時間が終わっているのに出しっぱなしのペン、食べ終えたはずなのにいつまでも片付ける様子のない食器…。 そういったキチッとしてないものを見つけると、駆け足で近づき、パパッと手を加えて、キチッとした状態へともっていく。彼女の作るアートにも、そんな性格が垣間見えていて、道具を渡すとニコニコと、時に「「ヒャハッ!」と笑い声を上げながら、作品を作り上げる。 基本的に1発勝負の短期集中型。 その理由は、迫る活動終了の時間、他の利用者が出しっぱなしにしたままの画材、まだ描き終えていない作品の数々・・・。彼女がキチッとしたい・しなくてはいけないものがそこら中に広がっているからだ。 そんな、焦りとも、勢いとも、アートを純粋に楽しんでいるとも、ノリに乗っているとも捉えられる彼女の作品は、文字通り「 彼女にしか作ることができない』ものと思う。 [選考委員名]
梶原良成(宇都宮大学教育学部 教授、建築家)
[選考委員コメント]
なんで、どっから探してっていうかね、身近にあったんだろうけど。
どういうきっかけで描き出したのか、ちょうどいい感じで描こうと思うのかちょっとわかんないじゃない? そういうのを、こういう形、こういう色っていうのにしたのが、本当に実によろしいですね。 遠くから見たとき、やっぱりなかなか美しいんだよ、これ。 |
中村寿生賞:地主 航太朗「人間」
[プロフィール]
2015年生まれ。元気いっぱいの小学2年生。
学校が終わるとjoy’sにやってきて、友だちと遊んだり、宿題をがんばったり、元気に過ごしています。他の子のペースに乱されることなく、マイペースな穏やかな優しい性格。 事業所でのアートくらぶでは、そのオリジナリティあふれる感性で、独創的な作品が生まれます。最近は、宿題の漢字に悩むこともありますが、画用紙に描くと悩みから解き放たれたような自由なタッチで漢字を描いています。 [選考委員名]
中村寿生(文星芸術大学 准教授)
[選考委員コメント]
ずっと人間だと思っていて。でもよく見たら入間だったんですけど、でも初めからずっと人間としか読めなかったので…字は形じゃなくて、気持ちなんだなと、思った。構図もいいなと。
のっているのがいいですよね。そこがちょっとぐっときました。 |
齋藤千明賞:柴 典子「はな」、「無題1」、「無題2」
[プロフィール]
抜群の色彩感覚の持ち主で、現在和紙やスケッチブックにマーカー等で花柄を描くことが多い。
普段はおしゃべりな彼女だが、作品の制作にかかるとぴたっと静かになり黙々と作業が進められる。 他のものが話し掛けて来ても直ぐに反応できないくらい集中している。 [選考委員名]
齋藤千明(美術家、白鴎大学教育学部 教授、鹿沼市立川上澄生美術館 館長)
[選考委員コメント]
花モチーフと、繰り返してあるこの色とかのバランスがすごいかっこいいなと思って。
先にこっちの方(「無題1」)に目がいったんだけど、ここでもこのお洋服のところに書いた上から刺繍を重ねてるでしょう。 それを元々あった絵柄とかとバランスをとって表現してるのがすごく綺麗で、美しい。展示するときに、着せて立体的に見たいなって。 そしたらもっと美しいだろうなって思ったんですよね。 あと何かをこう描いて、縫って描いていくっていう作業っていうのは、その感覚がすごく共感できる。それを立体的に、立体物を表すのに、糸とかの縫う方向とかで表してるのか、すごくそこからワーッと出てくるようでかっこいい。 |
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